ナブルスでの住まい

さて留学生活も残すところ僅かとなってまいりました。

授業はあと1週間と少し余りで終了し、残すは期末試験と卒業プロジェクトの論文のみとなります。パレスチナ滞在自体も残すところ2か月余りと思うと、時の流れの速さをつくづく実感します。

季節も春から、こちらはすでに初夏の様相を呈してきており、昼間に歩けばすぐに汗ばむような気候です。幸い日本と違い乾燥しているので、日陰にいれば涼むことが出来ますし、心配していたハマースィーン(ハムシンとも。خمسين、خماسين。
参考:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%A0%E3%82%B7%E3%83%B3)も、まだ本格的なものは来ていません。

さてこちらでの生活も残り少なくなってきたということで、今更ですがナブルスでの住まいの写真をいくつか紹介したいと思います。実はこちらに来てから2回ほど引っ越しをしており、それもあって紹介が遅れてしまったというのもあります。

・現在の住まい

現在の住まいはナブルス旧市街から徒歩およそ5分の場所にある一軒家を、ノルウェー人の学生(彼もSOAS【ロンドン大学東洋アフリカ研究学院】の学生で、同じくナジャーハで勉強をしている学生です)と二人でシェアをしています。旧市街やシティーセンターから近く何かと便利ですが、授業があるニューキャンパスからはやや遠く、オールドキャンパスまで15分ほど歩いて行き、そこから乗り合いタクシー(片道2シェケル、60円ほど)でニューキャンパスまで行くので、30分弱かかります。

間取りですが、サロンが一つと、寝室が二つ(うち一つはマスターベッドルームで、かなり大きい)、キッチン、浴室、庭、バルコニーといった感じです。

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自宅キッチンです。前は家族が住んでいたようで、キッチン用具は相当充実しています。ただはじめは食器やらコップやらが多すぎて整理する必要がありました。
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ささやかな庭ですが、イタリアンパセリ、ルッコラ、赤かぶ、ねぎを育てています。この写真はだいぶ前のもので、最近ルッコラは一回目に植えた分は完食、パセリも食べられる大きさになったので、使いたいときに庭から切って食べています。先日ねぎ第一号を収穫しました。
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バルコニーからの眺め。向かい側に見えるのがジャバル・イーバールで、通称ジャバル・シャマーリーと呼ばれています。ちなみに自分の住んでいるのがジャバル・ジェリズィムで井戸が多く、我が家でも消毒された井戸水を無料で使えます。それといって美味しいわけではありませんが、普通に飲めるくらい綺麗です。
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自室です。机、中古ラジオはそれぞれ購入しました(各50シェケル)。布団などの寝具も備え付けでした。
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ささやかながら庭もついています。隣に5階建てくらいのアパートがあるので丸見えですが、天気のいい休日には外で朝食を食べたりすることもあります。この写真を撮った日は曇っていたのですが、普段はもう少し明るく日差しも差し込みます。
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浴室はやや狭めで、換気扇もなく使うとき以外はいつもドアを開けっぱなしにしています。お湯に関しては、ソーラーとヒーターの二種類があります。ヒーターはガスで沸かしますが、熱すぎたりと調節が難しく、途中で切れることもしばしばで冬場はなかなか辛い日もあります。晴れた日にはソーラーが良く動きますが、冬場は雨や曇りの日も多く、だいたいヒーターを使っていました。春夏はソーラーで熱いお湯が十分に出ますし、温度も一定しているので快適です。冬場にどうしてもあったかくゆっくり体を洗いたいときは、洗いだめして旧市街のハンマーム(通称トルコ風呂)に週末に行くこともありました。

家賃は月に1400シェケル、これに水道・光熱費・インターネット代を月に100シェケル、合わせて1500シェケルで、これを二人で割るので一人当たり750シェケル(約22,500円、1シェケル=30円計算)を月々払っています。この物件に入居した11月当初は3人で住んでいたので、一人500シェケル弱でしたが、諸事情により同居人が引っ越してしまったので、ナブルスの物件相場からいえば今は少し高くなってしまっています。

・ナブルス物件事情

ここでナブルスの物件相場について少し。基本的には物件を借りて、複数人でシェアする事になります。

まず自分の部屋を一つ持ちたいという方。

この場合、家賃は月最低でも500シェケル程度と考えていいでしょう。それに加えて光熱費や水道代などが入って来ます。この相場を考慮すると、現在の月家賃700シェケルは少し高い気もしますが、一軒家ですし、庭付き、かつアパートにありがちなルール(主に友人を泊めたり、部屋での飲酒)をそこまで気にしなくてもいいことなどを考慮すると、自分としては納得のいく価格だと思っています。もちろん近所からの信頼は大切ですので、ご近所さんを考慮する必要はありますが、それでもアパートのルールほどは厳しくありませんし、こちらの裁量に任されているところが大きいです。

また旧市街、ちょっとお洒落なレストランやカフェなどの集中するラフィーディヤという地区双方が徒歩圏内にあるという交通の便の良さもあります。

一方で、物件だけでなく各部屋をさらにシェアする場合。

現地のパレスチナ人の学生はだいたいこのタイプで、一部屋をさらに2人でシェアしていることが多いようです。大学付近ではだいたい月あたり250シェケルほどが家賃相場です。一部屋をさらに複数人でシェアしますから、一物件あたり6人、8人で住んでいるのが一般的です。大人数で住みますから、結果的に物が散乱して汚い物件もよくあります。大学付近の学生用アパートは建物ごとに男女で別れており、女性用の建物には間違っても入れませんから、女性の方がどうなっているかはよく分かりませんが、男子の部屋は全般的に芳しい状況ではないことが多いです。友人から聞く話では、女性の方でも汚い別件は汚いようです。

またラマッラ―との比較ですが、ラマッラ―だとシェアで自分で一部屋を持とうとするとだいたい250ドル以上はいくようです。ドルです、シェケルではありません(というのも外国人の多いラマッラーでは、外国人からはドル払いで徴収する大家が多いからです)。日本人の友人で、ラマッラ―在住の学生は中心部に住んでいることもあって300ドル以上払っている人がほとんどです。また外食費などを中心に、物価もラマッラ―の方がナブルスよりも全般的に高いと言えます。

・家賃以外のコスト

次に家賃以外の各種コストですが、水道代は基本的には高くないので大したことありません。ただ光熱費とインターネット代がなかなかかさみます。

現在住んでいる自分の物件は、水道・電気代・インターネット代が全て合わさって、月定額100シェケル、さらにこれを二人で割るので50シェケルのみで、なかなかリーズナブルです。なにより定額なのがありがたく、冬場でも電気代を気にすることなく電気ストーブを使うことが出来ました。ガスは自分たちで大家などに電話して無くなり次第新しいボンベを購入します。一つ60シェケルで調理用のコンロ用であれば2〜3ヶ月ほど、シャワーなどのボイラーですと1月半くらいの寿命であったと記憶しています。使用頻度にもよるのであくまで参考値にして下されば幸いです。

ただほとんどの大家は使った分だけ徴収するので、何人で住むかにもよりますが、どう考えても月100シェケルは上まるとは思います。一人当たりの負担は何人でシェアするかにも大きくよるので、具体的な値段をここで見つもるのは難しいですが、3人住まいの友人によると先月(3月分)の水道代が40シェケル、電気代が100シェケルだったそうです。インターネット代ですが、昔の大家によると最安プランで月55シェケルくらいだった記憶があります。

・家探しの方法

最後に家探しの方法ですが、ナブルスに関しては不動産業者などは存在せず、口コミで聞いて回るという原始的方法が基本的な手段となります。ラマッラ―などではインターネット上に物件情報が載っていることもあるようですが、ナブルスに関しては皆無です。

口コミの際にキーパーソンになってくるのが、スーパーマーケットの店主です。いわば近所一帯の人脈の結節点であり、住みたいと思った地区のスーパーマーケットの店主に空き物件を探してもらうのが最も基本的な手段と言えます。アラビア語を話せない最初は、友人などに手伝ってもらいながら物件を回るのがベストでしょう。

また留学生同士の情報交換も非常に重要な情報ツールであることに間違いありません。ちなみに今の物件はナブルス出身の友人伝いに見つけた物件です。パレスチナ人なら誰でも知っているというわけではなく、地元出身(つまりナブルス出身)のパレスチナ人の方が地盤があり、人脈もより多く持っていることが多いので、情報ソースも豊富です。

おそらく今までの投稿で最も実際に役に立つ情報をお届けできたのではないかと思います。家探しにはトラブルも多く、生活の基本となるものですから少しでもいい条件のものを探し当てたいものです。留学初期にはこうしたアドバイスできる知恵もなかったもので、こうして留学も終わりかけた今頃になって、住まいの情報をお届けできた次第です。すこしでも今後の留学生の方々にお役に立てばと思います、

 

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